引き続き糖尿病についての話をさせて頂きます。
今回はシックデイSick Dayについてです。
糖尿病の患者様で「シックデイに気を付けてください。」と言われることがあります。
血糖値のコントロールをしていて、風邪にかかったり、またはお腹をこわしたりすることがあります。そのような時は、血糖値が高くなることが多く脱水症状や「ケトアシドーシス」という状態になることがあります。「ケトアシドーシス」とは酸性血症と訳され、高血糖、高ケトン血症、代謝性アシドーシスになることです。このような調子が悪い状態をシックデイと呼びます。
風邪や腹痛などの病気にかかるとこれが身体へのストレスとなります。この時、病気に対処するためにストレスホルモンが分泌されます。そのストレスホルモンは血糖値を上げる作用があります。このため血糖値が高くなります。また病気の時はインスリンの分泌に悪影響を与えてあまり出なくなることがあります。そのため血糖値が高くなり、身体の抵抗力を奪って病気が悪化するという悪循環となります。また風邪の場合などは発熱や下痢で体の水分が減って血糖値が再度上がります。
また、その反対に病気で食事がとれず、低血糖症状の陥る場合もあります。
著しい高血糖、高熱が長引く、かなり体調がおかしいなど自覚症状があったら、主治医に連絡することをお勧めします。
シックデイルールを普段から考えておくことも大事です。
例えば、シックデイのような場合は
①安静にして休息する
②水分を十分取る
③食事がとれそうな場合は消化の良いものを摂る
などです。
ふだんインスリン注射をしている方はシックデイのとき勝手に注射を中止しないようにしましょう。また糖尿病のお薬を服用している場合も中止したほうがいい薬としないほうがいい薬があります。どちらにしても受診するなど必ず医師に相談をしてください。
日頃からシックデイのことを知って準備をしておくことがとても大切だと思います。