今日は睡眠に関連したよくある疑問についてお話しようと思います。
まず、「何時間寝ればいいのか?」という疑問についてです。
結論から申し上げますと、そんなものはなく、次の日に眠気を感じないだけ眠ればいいというのが答えです(他にも意見はあるかもですが・・・)。人は長く起きていたときは帳尻を合わせるように次の日は深く長い眠りに自然となるので、何時間眠ったとか、眠れなかったというのは考えるだけ無意味です。むしろ、それが原因で不眠になる方もいらっしゃいます(病的なものは除外して)。
次は、「昼食後はなぜ眠くなるのか?」です。
よく巷では消化のため、胃のほうに血液が行ってしまって、脳に血液が行かなくなるからと思っている人がいらっしゃいますが、そうではありません。とても重要な臓器である脳が血液不足となることはありえません。
今現在考えられる原因は体内時計によって、覚醒が一時的に弱くなる時間帯であること、昼食による血糖値の上昇が覚醒物質であるオレキシンなどをつくる神経細胞の活動を弱めてしまうこと、満腹により、空腹のときにある食べるモチベーションが下がってしまうことなどが考えられています(他にも原因はあるかもしれませんが・・・)。
最後に「なぜ、夢では変なことが当たり前のように起こるのか?」についてです。
記憶には長期の記憶ではなく、瞬時に記憶し、すぐに消えていく作業記憶というものがあり、これは脳の前頭前野背外側部というところ行われています。浅い眠りであるレム睡眠のときに、前頭前野背外側部は特に機能が低下しています。作業記憶というのは意識や知能、認知と深い関係があります。そのため、夢の中ではおかしなことが平気で起こったりし、また、それを変だとも思わないのです。