【精神的な症状】 |
便秘によって精神的な影響が出ることもあります。たとえば便通がなくイライラしたり、不眠になったりするなどです。
また、便秘が続くことで自律神経が乱れてしまう場合もあります。
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【肛門の症状】 |
便秘が続くと、腸内に便やガスがたまっておなかが張った状態になります。これを腹部膨満といいます。また、便秘のため出口がふさがった状態であるにもかかわらず、腸管が腸内にたまった便やガスを肛門に送り出そうとするために痛みを生じ、これが腹痛のもととなります。さらに、腸内に便がたまっているため腸の働きが悪くなり、食欲が減少する食欲不振の症状もみられます。
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【その他の症状】 |
その他にも、便秘が続くことで頭痛・肩こり・口臭・吐き気等の症状があらわれる場合があります。これらの中には、便秘との直接的な因果関係がまだわかっていないものもあります
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●便秘の分類 |
便秘はその性質からいくつかの種類に分類することができます。それぞれの種類ごとに原因も対処法も異なるので、まずは自分がどの種類の便秘なのかを知ることが大切です。
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まず、便秘は急性便秘と慢性便秘にわけられます。 |
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〔急性便秘〕 |
種 類 |
内 容 |
対処法 |
症候性便秘 |
・ |
至急の手当てが必要ななんらかの病気
(腸閉塞や腸捻転など)によって引き起こされる
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・ |
嘔吐や腹痛をともなうことが多い |
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原因となっている病気の
治療を至急行なう |
一過性
単純性便秘 |
・ |
環境の変化や一時的なストレスにより引き起こされる
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・ |
あくまで一時的なもの |
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原因をつきとめて解決する |
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〔慢性便秘〕 |
種 類 |
内 容 |
対処法 |
機能性便秘 |
・ |
生活習慣やストレス等により腸の機能低下している状態
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・ |
さらに3つの種類に分類することができる(下記参照) |
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下記参照 |
器質性便秘 |
・ |
他の器質的な病気や疾患(大腸がん、大腸ポリープ、肝臓がん、子宮筋腫など)によって引き起こされる
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原因となっている病気の検査
および治療を受ける |
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機能性便秘は、さらに弛緩性便秘、痙攣性便秘、直腸性便秘にわけられます。 |
〔機能性便秘〕 |
種 類 |
内 容 |
対処法 |
弛緩(しかん)
性便秘 |
・ |
腹筋が少なく、腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱くなって便が
押し出せなくなっている
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・ |
もっとも多いタイプ |
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痙攣(けいれん)
性便秘 |
・ |
ストレス等により、腸が過敏になって蠕動運動が強まり、痙
攣してくびれた部分に便やガスがたまる
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・ |
過敏性腸症候群(IBS)もこのパターンにあてはまる |
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・ |
ストレスの解消
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・ |
薬物療法
(抗不安薬・抗うつ薬等) |
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直腸性便秘 |
・ |
直腸が鈍感になっている
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・ |
下剤・浣腸等の乱用、便意の抑制が原因 |
・ |
近年増加傾向にある |
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・ |
下剤・浣腸等の乱用をやめる
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・ |
腸の自然な働きを取り戻す |
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●便秘の検査 |
便秘の検査には以下のようなものがあります。これらの検査は、便秘がどの種類のものにあてはまるのかを調べることに加え、便秘の裏に隠された病気を探すことも目的としています。正確な診断を受けることは治療を行う上でもたいへん重要です。 |
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〔便秘の検査の種類〕 |
検 査 名 |
検 査 内 容 |
問 診 |
便秘の症状、生活習慣、食事、ストレスなどの詳細について質問する |
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便検査 |
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血液検査 |
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腹部X線検査 |
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大腸内視鏡検査 |
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大腸X線検査 |
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●便秘の治療 |
症候性便秘や器質性便秘のように別の病気が便秘の原因になっているのであれば、まずはそのもとになっている病気の治療が必要ですが、それ以外の場合、生活習慣の改善、食事療法、運動療法、薬物療法が主だった治療法になります。 |
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生活習慣の乱れは便秘の最大の原因のひとつです。規則正しい生活を送り、十分な休養と睡眠と栄養をとり、ストレスをためないよう心がけましょう。 |
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適度な運動をすることで、血液の循環がよくなり、胃腸などの消化器官の働きを活発にすることができます。 |
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バランスのとれた健康的な食事を、三食しっかりととりましょう。特に朝食を抜かずにきちんと食べる習慣をつけましょう。そうすることで、胃腸、ひいては体全体がよいリズムを取り戻します。 |
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さらに、食物繊維を多く含んだ食品を積極的に摂取しましょう。食物繊維は、便のかさを増やしたり腸を刺激して便意を促進させる働きがあります。 |
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食物繊維を多く含む食物 |
糸引き納豆、おから、インゲン豆、とうもろこし など
また、水分を意識的にとるよう心がけましょう。便秘の人は水分が不足していることが多く、水分の摂取不足が便秘の原因になっていることも少なくありません。健康な成人の便では組成物の約8割が水分ですが、便秘の人の便は水分の割合が低く、そのために便が硬くなって出にくくなっている場合があります。
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便秘における薬物療法では、主に下剤が用いられます。種類が多く、分類のしかたも様々ですが、ここでは作用の強さによる分類を紹介します。 |
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〔便秘の検査の種類〕 |
種 類 |
用 量 |
効果について |
緩下剤 |
大量(10g) |
・ |
便を粥状にまで軟らかくする
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・ |
排便回数を増やす |
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下 剤 |
中等量(数g) |
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峻下剤
(しゅんげざい) |
少量(1g以下) |
・ |
服用するとおなか(腸)がグルグル鳴る
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・ |
液状の便を排出する |
・ |
作用が強い |
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便秘の薬物療法の基本は「作用の弱いものを少量から」と言われており、一般的には緩下剤が使用されることが多いようです。また、下剤の乱用は「便秘の分類」の項で触れたように、直腸性便秘を引き起こすという逆効果を生むこともあるので禁物です。薬物療法を行なう際は、専門医の指示に従いましょう。 |
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※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。 |