2月のイベントと言えば、バレンタインデーが思い浮かぶ方も多いと思います。
しかし伝統が長く周知されているのはやはり
「鬼は外、福は内」
豆まきでおなじみの節分です
この時期に行う豆まきの風習、
実は東洋医学に通じる歴史があるのはご存じでしょうか?
●そもそも節分とは何?
「節分」とは四季を分ける節目の日、つまり季節の変わり目のことです。
立春・立夏・立秋・立冬の各前日のことで1年に4度あります。
中でも大寒の最終日である立春(2月の3日、または4日)は、
寒い冬の終わりが見え、草木が芽吹く1年の始まりとして重視されていました。
その結果、立春前日がいわゆる「節分」として定着していきました。
●なぜ鬼を追い出すのでしょうか?
「季節の変わり目は体調を崩しやすいんです・・・」
と相談を受けることが多々ありますが、
昔は季節の変わり目には鬼(邪気)が生じ、
それが体調不良の原因と考えられていました。
そのため、平安時代の宮中では、節分に陰陽師(おんみょうじ)によって
鬼(厄)をはらう「追儺(ついな)式」が執り行われていました。
現在でも節分祭で有名な京都の吉田神社では、
四つ目の仮面をかぶった鬼を陰陽師が祭文を読み上げて追いはらう追儺式が行われています。
節分に鬼を追い出すのはこのような由来があるようです。
●なぜ豆をまくのでしょうか?
諸説ありますが、豆は「魔滅(まめ)」に通じ、
無病息災を祈る意味があります。
昔、京都の鞍馬に鬼が出たとき、
毘沙門天のお告げによって大豆を鬼の目に投げつけたところ、
鬼を退治できたという話が残っており、
「魔の目(魔目=まめ)」に豆を投げつけて
「魔を滅する(魔滅=まめ)」に通じるということです。
また東洋医学の基本でもある「陰陽五行説」は、万物を「陰」「陽」に分け、「木・火・土・金・水」の5つの要素によって世界が成立していると考えます。
陰陽五行説では、豆や鬼、疫病は「金」にあたり、相克の理論で「火」は「金」に勝つのとされています。
豆を火で炒ることで、鬼や病に打ち勝つという意味になります。
つまり、炒り豆は鬼や疫病に打ち勝つ象徴と考えられます。
豆まきに使用するのはこのような理由で炒った豆になります。
ちなみに、炒らずに生の豆をまくと、
相克の意味もなくまた拾い忘れた豆から芽が出る可能性があり、
縁起が悪いとされるのでご注意を!
また熱を加えない豆は食すと下痢を起こす為、
豆まきの後に食べることも考えると、
炒った豆をまくことはすべてにおいて理由があることがわかります。
寒さは続きますが、カラダの邪気を打ち払い、健康な日々を過ごしましょう!