成島店薬剤師のTです。
漢方の生薬について解説させて頂きます。
今回は「大棗(タイソウ)」についてです。
有名なところでは、「小建中湯」や「麦門冬湯」などに使用されています。
大棗はクロウメモドキ科という植物の果実ですが、日本ではあまり知名度がありません…
しかし、中国では五果(棗・李・杏・栗・桃)と呼ばれ、縁起ものとされています。 また、薬膳にもしばしば利用されています。
大棗には「血」や「気」を補う作用があります。 また甘味が強い為、他の生薬の苦味を緩和する作用も期待できます。
少し話が逸れますが、大棗の「葉」を口に入れてから、甘いものを口に入れると甘味を全く感じなくなります。
これは、葉に含まれる「ジジフィン」と言う成分が原因となっています。
「シジフィン」が、舌にある甘味を感じる受容体をブロックする為、甘味を感じなくなるのです。 実の部分は甘味が強く、葉の部分は甘味を感じなくさせるという、同じ植物でも反対の性質を持っていることが面白いと感じました。