寒い冬が終わりポカポカ暖かい日が続きついウトウトしてしまいます。
中国の詩人、猛浩然も
春眠暁を覚えず(しゅんみん あかつきを おぼえず)
と1200年ほど前に言っており、昔から春は眠くなる季節という
認識があったようです。
暖かいから眠くなるだけでは?と思う人もいるでしょう。
では、冬に暖房をかけて適温にしたところで
ここまで眠くなるでしょうか?
春に眠くなる原因は
「気温の上昇が自律神経に影響を与えるから」と考えられています。
自律神経とは交感神経(興奮・緊張したときに活発になる神経)と
副交感神経(休息時やリラックスしたときに働く神経)のことです。
気温が下がると交感神経が働き、血管を収縮させ、熱を逃がさないように働き、
気温が上がると副交感神経が働き、血管を広げ、熱を放出して
体温を一定に保っています。
冬は寒く交感神経が優位に働いていますが、
気温の上昇とともに、急な副交感神経の優位状態が起こりやすく、
この時に強い眠気を感じると考えられています。
また春は気温差が大きく、
自律神経はその変化についていくために必死に働きます。
頻繁に交感神経と副交感神経の優位状態が入れ替わり、
それが追い付かなくなると自律神経の乱れが生じます。
自律神経は昼と夜で体のリラックスと緊張状態を
切り替えるという働きも担っています。
自律神経の働きのリズムが狂えばこの切り替えにも影響し、
本来交感神経が優位で緊張状態で活動するべき昼間に、
副交感神経優位のリラックスモードになってしまい、
強い眠気を誘うという可能性もあります。
対処方法としては、まず起きたらすぐに日の光を浴びましょう。
起床後に明るい光を浴びると、
体内時計がリセットされてメラトニンの分泌が止まります。
眠いときには仮眠をとりましょう。
適度な仮眠(15~20分程度)は眠気の解消のほか、
脳が緊張した状態をリラックスさせ、
作業効率や集中力の低下を抑えてくれます。
ただし30分以上の仮眠は脳が休憩をとる体制を準備してしまうので
かえって眠くなります。
自律神経の働きを整えるために規則正しい食事や睡眠、
適度な運動をしましょう。
しかし睡眠をしっかりとっているはずなのに、頻繁に居眠りをする、
疲れが全くとれていない、季節を問わず日中に強い眠気を感じる、
休日に12時間以上も眠ってしまう方は、
鬱や睡眠時無呼吸症候群など別の病気が隠れている可能性があります。
日常生活に支障をきたす日中の強い眠気、
居眠りが続く場合は一度医師に相談しましょう。