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■高血圧が招く3大合併症 |
高血圧とは、血液が血管に通常以上の圧力をかけている状態で、血管の壁は引き伸ばされて薄くなります。この状態を元に戻そうとするため、動脈の壁が厚く硬くなっていきます。
その結果、心臓では狭心症や心筋梗塞、脳では脳出血や脳梗塞、そして腎臓では腎不全など命にかかわる恐ろしい合併症を招きやすくなります。しっかりと血圧の管理を行ない、これらの合併症の発症を予防しましょう |
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●高血圧になりやすいのはどんな人? |
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高血圧になりやすい生活習慣があります。生活習慣を正すだけで軽度の高血圧は改善されます。 |
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食塩の摂取量が多いほど血圧が高くなります。1日の塩分摂取量の目標値は10g以下、5~6gが理想とされています。
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過度の飲酒は血圧を上げ、逆に少量のアルコールは血管を拡張し血圧を下げます。
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タバコは百害あって一利なしです。過度の飲酒とタバコとの併用により、心臓の病気になる危険性はさらに高くなります。
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肥満は高血圧の他、糖尿病や高脂血症も引き起こしやすくなります。
その他:ストレスの蓄積や疲労と睡眠不足
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●わずかな自覚症状も見逃さないで! |
高血圧はサイレント・キラー(沈黙の殺人者)といわれるように自覚症状が乏しく、いつのまにか高血圧になっていた、ということになりがちです。
しかし、自覚症状が全くないわけではなく、ひどく疲労した時などに一時的に自覚症状が出てくることもあります。 図のような症状を自覚しましたら、念のために、検査することをおすすめします。
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●高血圧の治療法 |
高血圧の治療には、食事療法、運動療法、薬物療法があります。130/85mmHgまでが正常血圧とされていますが、これ以上の人は、まずは生活習慣の改善を行います。 |
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■食事療法の基本 |
【改善の目安】 |
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食塩の制限→1日10g以下
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脂質の制限→1日40g以下
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エネルギー量の制限→1日の適正エネルギー量内
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【特に注意したい点 】 |
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動物性脂のとりすぎに注意する。
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脂質の制限→1日40g以下
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自分にあった適正なエネルギー量の計算方法を覚える
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【標準体重の算出】 |
自分の標準体重を算出してみましょう!
身長(m)×身長(m)×22=標準体重(kg)
例)身長170センチの人の適正な体重は?
答え)1.7×1.7×22=63.6kg |
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【1日の適正なエネルギー量の算出 】 |
標準体重×体重1kgあたりの必要エネルギー量(約30kcal)
例)身長170センチの人の適正なエネルギー量は?
答え)63.6×30=1908kcal
※体重1kgあたりの必要エネルギー量は、1日の生活活動によって25~35kcal程度の幅があります
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■運動療法の基本 |
【運動療法の対象者】 |
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上の血圧が160 mmHg未満、下の血圧が110 mmHg未満の軽症の高血圧の人は食事療法と同じく、基本的な治療として行います。
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すでに降圧薬療法を実施している方でも行います。
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【特に注意したい点 】 |
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運動療法を始める前には、医師による入念なチェックを受けてください。
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過度の運動は控えてください。
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運動療法による降圧は、運動継続中は持続してみられますが、運動の中断により消失しますので、長期間持続するように努めることが必要です。
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薬物療法は食事療法や運動療法をきちんと行っていても、血圧が正常値まで下がらない場合に行います。
しかし、薬物療法は血圧を正常に保つ手助けをするのであって、高血圧そのものを治すものではありません。したがって薬物療法を始めたら、基本的には「一生」続けることが必要になります。
肩こりや頭痛などの自覚症状がなくなったからといって、医師の許可なく薬を止めることは脳卒中などの合併症が起きやすくなり、大変危険です。 |
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※治療に当たっては、必ず専門医にご相談ください。 |